ジャニごと。

ジャニーズの沼に落ちた大人の日々。

2023/1/21 The Beastiful Game (ザ・ビューティフルゲーム)超個人的レポ

 The Beastiful Game (ザ・ビューティフルゲーム)超個人的レポ

会場 日生劇場

開催日1 / 21 (土)
START 18:00 / END20:40幕間あり
 
 
難しいお話なのでまずはざっとあらすじです!
 
 
あらすじ
 
舞台はイギリス領北アイルランドの首都ベルファスト
IRA(北アイルランドの独立を訴える組織でカトリック派)の活動が日増しに盛んになり宗派の争いは街を分断していた。
 
ここで暮らす人々はサッカーを愛し、試合を「ザ ビューティフル・ゲーム」と呼ぶ。彼らにとって自分たちが応援する チームの試合は最も大事なものであり、彼らの人生そのものだった。
 
ジョンはそんなサッカーチームのエース選手であり、将来プロのサッカーサッカー選手になることを夢見ていた。
ジョンとチームメイトたちはサッカーに青春を捧げチームの監督であるオドネル神父による厳しい
レーニングの末、チームは国内リーグで遂に優勝を果たす。
街はカトリック派とプロテスタント派の争いが日増しに激しくなり、ジョンやチームにも不穏な空気が忍び始める。
逆らうことのできない運命に、ジョンは人生を
大きく変えることになる。
(一部、パンフレットから引用しました)
 
 
 
 
まず、まずですよ!
あらすじ読んだら、ジョンやメアリーがどんだけ楽しそうに歌っててもいちゃついても
 
ラストには戦争に巻き込まれてくんだなぁって思ってしまって序盤からもう泣けるよね(涙腺弱すぎ)
 
 
 
 

〇一幕

チームが優勝し、ジョンとメアリーがつき合い始め幸せなことが続く。
お互いに「嫌い、好きじゃない」と歌い合うジョンとメアリーが本当に良すぎる。
 
メアリー役の木下さんが実写アラジンのジャスミン役をやられてた時点で、歌声優勝。小瀧くんの言う通り、どこからその声量が?と思うくらいにすき通った声と大きさ。
 
肝心の小瀧くんも、バンド曲のがなりをとるのに苦労した、とミュージカル初挑戦の難しさを話
してて、楽屋でも歌練習してバドが歌える謎の状況になって(笑)
たけど、その頑張りが伝わるくらいに上手でちょっと泣いた。成長がまだまだ止まらない。
 
 
 
一幕ラスト
 
 
 
「ジンジャーが殺された!」
 
 
 
 
と告げながら入ってくるジョンが既に涙ぐんでる。
感情はトップギアのまま本当に涙を流していてツーって泣いた。綺麗な顔ほんとに…
 
涙のシーンで本当に泣いてるジョンがささった。あと2シーン本当に涙を流していて、状況によって表情が違うの表現力よ…素晴らしかった!!
 
 
どうしてだって泣くジョンが初めて戦争を宗派争いを意識したように感じる。
確かに、ジンジャーなにも悪いことしてないのに殺されたもんな…
 
 
 
 
〇二幕
 
ジョンとメアリーは結婚式をあげる。その初夜、
トーマスに困っているから助けて欲しいと呼ばれ(IRAのメンバーとなっており逃亡しようとしている)メガネを渡す。
 
この時点でジョンは争いに巻き込まれそうなことを予知して「結婚したばかりだし、もうこんなことに巻き込まないでくれ」と争いに参加することを拒否するジョン。  
 
メアリーを守ろうって気概が最高にカッコ良いぞ!!
 
 
 
 
「友達を助けたい、ただそれだけだったんだ。」
 
 
 
メアリーの妊娠がわかり、プレミアリーグ
入団テストを受けるジョン。
夢だったプロのサッカー選手になれるまであと少し。
 
誰もが受かると思っていた矢先、テスト中に警察に捕まってしまうジョン。あの日トーマスの逃亡を手助けしたものとみなされた。
 
 
 
「友達を助けただけだ!こんなとこすぐ出てやる」
 
と歌う不憫なジョンもまた良かった。
反骨心に燃える表情が素晴らしい!
 
 
 
でも、囚人たちはここはIRA戦士の「大学だ」と、ジョンをIRAへと勧誘し、ジョンは出所のこともメアリーに伝えず、完全に洗脳されIRAの戦士となり北アイルランド独立のために戦うことを決める。
 
 
サッカーシーンを除くとダンスらしきものは、ほぼこの囚人たちと踊るダンスシーン。
どんどん洗脳されていくジョンが、囚人たちのダンスに混ざり(しかもセンター)
踊ってくうちに最初とは表情も顔つきもどんどん変わっていく様が素晴らしい。
 
 
ジョンは良い意味で純粋すぎる。
小瀧さんにオファー来た理由わかったよ。ジョンと同じ純粋な目してる☺️☺️
 
 
 
妊娠した報告を兼ねて面会に来たメアリーにも「もう来ないでくれ、俺に関わるな」とか言うんですよね…
メアリーは、ちゃんとジョンが逃亡の手助けなんかしてないって分かってて、ジョンが絶望の中にいるんじゃないかって、チームメイトの明るい話題を振ったりもするのに。
 
あんたの息子と奥さんだろうよジョン!
 
 
 
出所の時、ユニフォームを生まれたばかりの息子へ渡すジョン、メアリーは昔のジョンの写真を渡す。
 
ジョンはメアリーに「IRAの戦士としてイギリスに行く」と伝える。
 
 
ここもう泣けるよね…メアリーはずっと出所を夢見てたジョンがやっと出所するって聞いて、慌てて来たのに突きつけられたのはこの現実。
 
もう自由の身になったジョンが目の前にいるのに、近くて遠い。
 
 
 
 
 
「ここに映っているのは私の子の父親で、私の
夫だった人、これはあなたの被害者。
あなたはサッカー選手のジョンを殺した!」と言うメアリー
 
 
このセリフ良すぎ…
昔のジョンの写真を渡したところからもわかる通り、メアリーはずっとジョンやサッカーの仲間たちのことを信じてたんだ。
 
そして、大好きなジョンのこともずっとずっと戻ってくると信じて、プロのサッカー選手になる筈だったジョンの出所の日を待ってた。
 
 
ジョンは洗脳されてるから大好きなメアリーの声も届かず。
ちょっと迷う顔は見せながらもマジでどーでも良い、なんか言ってんなぁ…みたいな顔なんだけどね(笑)
 
 
2幕のここ、まじで観客全員「ジョンとんでもない男だな!子供を1人で産ませてそのまま別れるなんて」と思ったに違いない。憎まれても仕方くらいにこのメアリーの言葉がジョンにささってない。
 
 
こんなジョンを目の前にして、もさっきのセリフが出てくるってメアリーがメンタル強すぎんのよ。
セリフが全部、自分のことじゃなくジョンや息子の未来についてなのは…
 
 
ジョンが「イギリスに行く前に行っておきたいところがあるんだ、時間がない」と、自宅へ帰って息子の顔を見て欲しいってメアリーの提案を拒否する。
 
あんたの息子と奥さんだろうよジョン!
(2回目)
 
 
そのあと確かに絶望感ある歌は歌うんだけど、それでもやっぱり前に進んで行こうとするメアリーは強い。
 
 
 
でも、きっかけは友達を助けただけだったはずの仲間思いで家族想いで優しいジョンをIRAの戦士へと変えてしまったのは、紛れもなくこの社会情勢なんだと思うと泣ける。絶対にジョンのせいじゃない。
 
ジョンだって今の日本に生まれてたら、捕まることもなくそんなこと考えることすらなかったと思う。
あのままきっと、プロのサッカー選手になれていたと思う。
 
 
 
 
出所して真っ先に、トーマスに会いに行くジョン(行きたいところとは、トーマスのいるバーだった)
 
 
ジョンはトーマスに、IRAの戦士となりイギリスに行くことを告げる。
アイルランド独立のために戦うと話すジョンと「オレはあいつらに勝たせないために戦う」
と言うトーマス。
 
 
今からIRAの戦士になろうとするジョンと、既にIRAのメンバーであるトーマス、2人は似てるようで違うとはっきりとわかるシーンだと思った。
 
 
「この戦いに終わりなんてない!」と言うトーマスに
「じゃあ何のために戦うんだ!お前は何人の人を殺したんだ!!」と責めるション。
 
 
それぞれの正義を貫こうとしている2人のここのお芝居本当にすごいんですよね。
 
 
そして、ジョンがトーマスの手助けをしたと警察にリークしたのは、トーマスだったとジョンは獄中に調べて既に気づいていた。
 
警察にリークしたのはダニエル(元チームメイト)だと濡れ衣を着せ、メアリーにもそう説明してダニエルに制裁を、と足を撃ち障害を与えたのもトーマス。
 
 
 
IRAのメンバーとして、都合の悪い人は有無を言わさず殺し、抹消して来たトーマスにこんな言葉を投げかけるジョン。
 
 
ジョンは大義を抱えてIRAの戦士になると言うけれどそれって、戦士になったら戦争の中で例えどんな人でも心を無にして殺さなければならない。
 
それが戦争だってメッセージが隠れている気がした。
 
 
 
ここで少しわかり始めるジョン。この戦いに意味なんかないんじゃないかと。
 
トーマスが「この戦いには終わりなんかない」と言うから、ジョンの目も少し覚めてきた気がする。
出所からずっとギンギンしてた目が少しやさしく、昔をとり戻したようにもみえた。
 
 
 
 
ダニエルの件があって、許せなくなったジョンはトーマスに銃を向けるも
 
「オレは今のお前なら殺せる。でも昔のお前は殺せない」
 
と踏みとどまる。
 
過去のトーマスを否定したくない、戻れるならあの楽しかったチームメイトの時に…という感情の変化が見てとれた。
 
争いのリーダーとなり落ちるところまで落ちてしまったトーマスを憎みたい、でも憎むことなんかできない…
 
辛い気持ちが表情にも現れてジョンの顔つきも変わって来ていた
 
 
 
 
そんなジョンに「オレは明日死ぬかもしれない、次の誕生日は迎えられないかもしれない」と言うトーマス。
 
 
苦しい、苦しすぎる…例えここでジョンが撃たなくてもじきにトーマスは誰かに殺されてしまう。
 
それだけIRAの戦士として多くの人を殺し、憎まれ制裁される可能性があるんだと思った。
 
 
 
今は変わってしまった親友を前に、何もしてあげられない、もうトーマスのことをこの状況から救ってあげることもできない。
そんなジョンの気持ちは何となくわかる気がして、なんとも言えない顔してトーマスを見つめるジョンに涙が出た。
 
 
そしてトーマスはそのままバーで殺される。
 
ここが一番泣けたかもしれない…単なる悪役ではなくトーマスには彼なりの正義があったんだと思うと…
 
どんどん闇に落ちてボロボロになっていくトーマスも最高でした。
 
 
 
 
メマリーに渡された昔の写真を見ながら、家に帰るジョン。
チームメイトのことを、本来サッカー選手であった自分のことを思い出していたのかもしれない。
 
 
「ただいま」と言いながら家に入るジョンの顔は、メアリーが受け入れてくれるんだろうかって不安しかなくてちょっと俯いてて
 
 
 
でも、暖かく迎え入れるメアリーと初めて息子を抱くジョンは本当に幸せそうで、泣ける。
 
 
 
もし、あのままイギリスへ行っていたら、メアリーの言う通り父の顔も知らない息子になっていた。
メアリーもジョンがどこかで死んでも何もつかめない、一生の別れになっていたことは明らか。
 
ジョンを目覚めさせ、本当に大切なものに気付かせたのはメアリーだったんだと思う。
 
 
 
 

宗教による争いは、日本人には馴染みのない話ではあるけどポイントで出てくるオドネル神父の


宗派なんかは関係ない、懸命に戦うことそれが「ビューティフルゲーム」だ


ってセリフがあってオドネル神父は運命に翻弄され、アイルランドを離れてバラバラになっていく若者たちに言うの、オドネル神父はずっと中立でいたんだなと思った。

 
 
 
 
 
ーおしまいー
 
 
 
 
ミュージカルが北アイルランドについてだと知って、調べてみました。
 
この問題は2023年の今も終わっていないとされている。
北アイルランドはイギリスとの国境問題を残し
プロテスタント地区と、カトリック地区を分ける壁が至るところに残っている。各地での暴動も最近話題になった。
 
 
 
トーマスが言った「この戦いに勝つことはない、この戦いを自分より次の世代に繋いでいくことが俺たちの使命だ」の言葉がまた反芻された。
 
 
フィクションだけど、本当にこういう思いをして生きた人たちがいたんだろうなって想像する。
 
 
もし、ジョンがチームメイトのみんなが時代も場所も違う所に生まれていたなら、もっと幸せに生きられたのではと思ってしまった。
 
 
それでも絶望を乗りこえていくジョンやメアリーが、運命にあらがおうと生きてる姿にまた勇気をもらった。
 
 
少しお話が難しいのに加えてちょっと暗いので、やはりミュージカルにして正解な作品だと感じました。
 
 
そして座長、小瀧望さんが本当にかっこよすぎて…とにかく海外作品が似合う!!
 
舞台では日本人役ないくらいには海外作品に出まくっている小瀧くん、確かに長身で舞台映えするしめちゃくちゃ似合うんですよね。
 
ジョンと呼ばれるのだって、エレファントマンでのジョンメリック以来2回目(笑)
 
 
 
コロナ禍の今だからこそ、明日がわからない今だからこそ見て色々考えさせられる作品だと思いました。
 
小瀧くん、初ミュージカルにしてのこの歌声とボリューム素晴らしかったです!!
(超贔屓)
 
たくさんの方々にこの作品が届きますように🙇‍♀️🙇‍♀️